原稿は命!渋るクライアントを説得して書いた原稿の結果とは?

小池優衣 YUI KOIKE

2016年中途入社 埼玉支局プランナー

前職はITインフラの営業

限られた枠で最大の効果を

「原稿が命だよ」とは新入社員時代にお世話になった当時の上司に言われたセリフだが、クライアントから反響を聞く度に真実だったと実感する。

私が扱う求人広告は、決められた枠内に言葉と写真を配置することで、反響を出すことが求められる。キャッチコピーは2行、本文は8行という制限が基本。制約がある中、いかにその企業の魅力を最大限アピールできるかが勝負だ。

言葉の選び方やレイアウトによって、応募人数には雲泥の差が生まれる。響くコピーが浮かばない時は机に向かって悶々とすることも多く、簡単な仕事ではないが、結果が自分次第なところにやりがいがある。それは、まさに私がぱどに転職を決めた理由の一つだ。

営業の腕次第の仕事がしたかった

ぱどに入社する前は、都内でITインフラの営業をしていた。
インフラは一度作ると仕様の変更が容易ではない。ましてや製作者が退職してしまえば、顧客から改善の要求があったとしても希望通りに応えるのは難しい。謝罪の電話をする中で、営業として顧客のニーズに対応できないことにジレンマを感じていた。

そんな時読んでいた求人誌で「ぱど」の文字が目に入った。

なるほど、広告という無形商材であれば製品の性能や質に影響されることなく営業ができる。クライアントの課題に対してさらに幅広く深い提案ができる余地があるかもしれない。結果がプランナーの価値観や行動次第のところに魅力を感じた。

クライアントと言い合いになっても貫いた結果とは

実際に入社してみると、予想は正しかった。

プランナーは、クライアントの伝えたいことはもちろん、言外のニュアンス、その場の空気感といった肌で感じるしかないことまで誌面で形にすることが求められる。現場でヒアリングした内容を原稿作成チームの力を借りつつ、完成度の高い原稿に創り上げるためには、それなりのスキルや感性が必要だ。

企業側が伝えたいことと、読者に響く内容は異なることも多い。印象的だったのは、訪問介護のヘルパー募集の求人案件だ。利用している他媒体での反響が下降気味のため、ぱどに白羽の矢が立った。先方の担当者に給与やシフトや職場の人間関係など様々なヒアリングを行う中で、求職者には「待遇面のメリット」が響くのではないかと予想ができた。具体的には、お客様都合のキャンセルが発生した際にヘルパーに支給される補償金や、事故時の負担を会社が負うヘルパー賠償保険等である。こうした不慮の事態にしっかりと対応できる会社は求職者にとって魅力的だ。

その他のメリットもあったものの、あえて待遇面を強調する原稿にしてはどうか?と提案してみたところ、担当者は苦い顔をしていた。補償目当ての応募者が続出することを懸念したためである。

事情は分かるが、この待遇の良さは求職者の信用を得るうえで大きな武器になるうえに、社員を大事にする企業の姿勢をアピールできるチャンスにもなる。それらを説明し、「読者にとっては絶対に重要な内容なので、書かせてください!」と譲らなかった。熱意が伝わり、「小池さんがそこまで言うなら一回やってみよう」と任せていただくことができた。期待に応えるため、一つ一つの言葉を吟味して創り上げた原稿。

結果は、予想以上の好反響だった。
「小池さんの言う通りにして良かったよ!」と担当者から嬉しいコメントを頂いた時は、思わずホッとしたことをよく覚えている。

プロとしての自信を持てるまでの道のり

この案件のように、たとえ担当者と意見が割れたとしても、確信が持てる時には「求人のプロとして原稿を書いていますので、任せていただけますか」と言えるかどうかが大事だと思う。

失敗を恐れて単なる御用聞きになってしまうと、自分がプランナーとして入る意味が無いうえに、クライアントに大きな迷惑をかけるおそれがある。

もちろん私も最初から「任せてください」と言えた訳ではない。

部内の事例共有会で成功事例を学んだり、過去の『ぱど』や他媒体の求人や雑誌などの言い回しを研究したり、メンバーから何度もフィードバックを貰ったりなどを繰り返して地道に実力をつけていった。

単語やセンテンスの選び方は想定ターゲットや業界によって微妙に異なる。反響を聞く際も、何人応募が来たかだけではなく、年齢や性別、応募に至るまでの経緯を詳しく聞いて改善に役立てていく。母親が『ぱど』の読者でお子さんに勧めたり、奥さんが旦那さんに進言して転職に活かしたという事例もあることが分かると、原稿の書き方のバリエーションも増えるのだ。

勉強することは沢山あるが、メンバーと共に楽しくできたため苦しさは感じなかった。アイデアが降ってこない時は、「”アットホーム”で思いつく言葉言ってみて!」と周囲に助けを求め、ワイワイ言い合いながら考えていった。

主婦向けの求人を担当した時は、「小池さんは今日からは主婦だから!」と上司から言われたメンバー同士で「主婦ってなんだろう」と深く考えたり、実際に主婦である同僚にヒアリングを行うなどして読者目線を徹底して鍛えた。

そうした積み重ねによって、入社後半年くらいで10件、20件と反響が出るようになり自信がついていった。きちんと努力すればその分反響が出る商材だと体感したからこそ、自信を持ってクライアントと向き合えるのだ。

原稿は命

打ち合わせでは「本当に効果が出るのだろうか?」と心配していたクライアントから、「採用できたよ!」と電話がかかってくる瞬間は本当に嬉しい。

『ぱど』読者に街頭調査を行ったり、アンケート結果を読んだりすると、「求人は一言一句を端から端まで読みます」という人が意外と多いということが分かる。「店長は三歳の子を持つお父さんなので主婦の気持ちが分かります」や、「子どもの急な用事でも休めます」といった言葉は女性、特に主婦の読者は見逃さない。私自身も求人は細かい箇所まで読むタイプなので、読み物としても面白い原稿をどんどん創っていきたい。

原稿は命。クライアントの役に立つ面白い原稿を今後も追求していきたい。

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