仕事は出会いのプロデュース。成果の秘訣は「当たり前を高い基準で」
中田静香 SHIZUKA NAKADA
2013年新卒入社 町田支局チーフプランナー
平成26年度優秀ぱど君賞受賞
人を巻き込む仕事がしたい
「人を巻き込んで目標を達成する仕事をしたい」
そう思って就活をしていたのは、大好きでずっと続けていたバスケの影響だ。個人プレイより誰かと協力して働く方が自分に合っている。
しかし、メーカーや食品の営業、販促を中心に面接を受けてもしっくり来ない。そんな時、目に入ったのがぱどだった。きっかけはフリーペーパー『ぱど』を読みながら美容院を探していた母親。「そういえば『ぱど』って誰がどんな風に作っているんだろう?」疑問に思って説明会に参加してみると、先輩社員から思ってもみない話が飛び出した。
「神社で行われるイベント販促の仕事をしている」というのだ。ぱどってそんな仕事をしていたの?驚く私に先輩社員は続ける。「人と人を巻き込み、繋げて、夏祭りを成功させたんです」
ハッとした。それってまさに私の求めていた仕事!
俄然興味を持った私は『ぱど』をもっと知るために、自分が住んでいるマンションの主婦を対象にアンケートを実施した。
「『ぱど』を知っていますか?」「『ぱど』を使ってお店に行ったことがありますか?」「『ぱど』を読むのを楽しみにしていますか?」
30名の回答者のうち、『ぱど』を使ったことがある人が大多数。「年齢が変わるタイミングで美容院を変えたくなるけど、ネットだと情報量が多くて混乱する。『ぱど』に掲載されていると安心できる」というコメントを読み、地元から愛される仕事をするのもいいなと思って、入社を決意した。
結果を出すには当たり前を高い基準で
町田支局に配属されて初めて担当したのは、ヘアサロンの集客。分からないことばかりだったが、当時のマネジャーや上司たちが丁寧に仕事を教えてくれた。特に学んだのは「やれることは全部やること」である。
私はロープレも下手だったし、鋭い営業トークもできなかった。だからこそ当たり前のことを誰よりも高い基準で行い、周囲が面倒くさいと手を抜きがちなところを徹底することが大事だと気づかせてもらったのだ。
例えば訪問先が留守の時は名刺を置いておくだけではなく「また伺います」と付箋でメッセージを残しておく。初めてお会いした方には手書きでお礼状を送る。付箋は手作りのものを使用し、ハガキには可愛く色を塗ってみるなど工夫をしていった。些細なことだけど、将来に繋がる種まきだと思ってコツコツと継続していく。すると私の顔と名前を覚え、心を開いてくれるお客様が少しずつ増えていった。
「結果を出すには当たり前を高い基準で」という姿勢は今でも私を支えてくれている。
数年かけて実った種
4年目になると、仕事に余裕が出てきて、クライアントからも頼りにされることがだいぶ増えていった。
そんなある日、町田の駅前にある商業施設の担当者を訪問した。新聞の売り込みチラシの反響をヒアリングするためだ。
「競合他社の駅ビルに新しいテナントが入りましたね」とさり気なくお役立ち情報を伝えつつ、販促担当の方の話に耳を傾ける。すると、「イベントスペースに人が集まらなくて困っている」という言葉が担当者の口からポロッと出てきた。
そこでひらめいたのが、2〜3年のお付き合いがある車のディーラーさんだった。以前から「展示会イベントをやりたい」と希望されていたのを思い出したのだ。商業施設で車のイベントを行って成功した事例を知っていたので、私もいつかやりたいと思っていた案件だ。当時は適当なスペースが無いために諦めていたが、これはチャンス。
早速ディーラーさんに話を持っていくと「駅前のそんな所でできるんだ、すぐに企画をちょうだい!」と好感触。どうしたら人が集まるイベントになるかを考えていると、第2のひらめきが。以前会議で話にあがった動物のレンタル企業である。イベントの時期は2017年の11月で、2018年は戌年。
これらの点と点や人を繋げて生まれたのが、町田駅前で開催された車の展示会イベントだ。2018年戌年の年賀状に使ってもらえるように、朝のニュース番組で一躍有名となった犬と一緒に写真撮影ができるという企画。各担当者の要望を叶えつつ、参加者がとびっきり満足できるイベントにできるよう周囲の力を借りて、企画を詰めていった。
そして迎えたイベント当日。
TVの中でしか見ることがなかった犬とのツーショットは小さいお子さんを持つ家族たちに大受けした。犬と触れ合えて喜ぶ子どもに、車をマジマジと見るお父さんお母さんの姿が至る所にある。
これをきっかけに来店したお客さんも多く、商業施設のスタッフさんやディーラーさんの笑顔を見ることができた。有り難いことに次のイベント開催の依頼を受けることもでき、また忙しい日々が始まる。
思いをかたちにする仕事
人を繋げることで新しい道がひらき、チャンスが生まれる。私の仕事はその出会いをプロデュースすることでもある。良いタイミングで良い人を繋いでいくためには、クライアントの課題や今後の展望をきちんと抑えておくことが大事なのは言うまでもない。何も考えずに、ふっと出てきたボールをパスするだけでは駄目なのだ。
ひらめきや良いアイデアも同じ。周囲を見渡し状況を把握しているからこそ良いパスができる。会社の回覧をチェックしたり、会話を覚えておいたり、アンテナを常に張ることが求められる。
人と関わる仕事なので結果として実を結ぶのに時間がかかることもある。実際に、ディーラーさんと車の展示会の話をしてから、駅前の商業施設と協力してイベントを行うまでには3年程の時間差があった。それでも撒いた種は必ず芽吹く。人を繋げる仕事には計り知れない可能性を秘めているのだ。
ぱどはアイデアをかたちにさせてくれる会社だと思う。自分が関わったことで何かが始まるワクワク感を得るために、これからも周りを見渡してチャンスを掴んでいきたい。